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帰山栄治作品解説集

まわき

編成 演奏時間
Mn1 Mn2 Ma Mc Gt Cb シロホン 21分
演奏日時 備考 演奏団体
1984 初演 金沢大20回定演
1985.5.11 名大春演
1986.11.22 神戸大31回定演
1989.5.14 名大春演
2000.12.16 神戸大45回定演
2010.6.19 コンコルディア38回定演

本曲は、金沢大学マンドリンクラブの委嘱により1984年に作曲された。
題名の「まわき(真脇)」とは、石川県能登半島の先の方にある地名である。ここは日本海側では珍しい縄文器の建築趾等多くの遺物が発見され、注目を浴びた。現在では、遺跡が発掘された土地は区画整理されてしまっているが、近くの丘陵を上ったところに出土品が保管、展示されている。なお、余談であるが、のと鉄道には、「縄文真脇」という駅がある。
ところで、この曲を作曲するにあたって帰山氏がこの真脇遺跡を題材にとられたのは、氏が日本海側の文化、人間の営みに感動され、古代にはせる思い、夢を回顧的にあらわそうとされたからだということである。もっとも、現実には、石川県の金沢大学の委嘱によるというところが大きいであろう。
曲は、まずゆったりとしたテンポに始まる。ドラ、チェロのトレモロの中、ギターが掛け合う。そして日本的旋律が瞑想的に奏でられる。続いて一転してテンポは速くなり、鋭い16分音符のアクセントの中に主題が形を変えて現われる。じつに日本的な経過部を経て、後半部に入ると曲は再びゆっくりとしたテンポに戻る。後半では一つの主題が提示され、それが低音系から高音系へと受け継がれ、何度も繰り返しながら、徐々に緊張感を高めクライマックスのfffを迎える。次第に興奮を鎮め、回想的に曲は終わる。
日本人のルーツを辿ると遥か縄文時代に行き着く。そして、それ以来の悠久の文化が、我々の心の奥底に染み付いている。国際化が進んだ現代、我々は好むと好まざるとに関わらず、自分が日本人であることを意識せざるをえない時が来るであろう。そのとき、この曲は我々に日本人のルーツを示してくれるに違いない。最初は取っ付きにくいが、一聴の価値がある曲である。

(田沢&加藤)



[Mandolin Works,1984] [top page]

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